銀行員時代⑰
帰国内示が出ました。渡米後7年、やるべきことはできたかな、という心境でしたので、納得して準備を始めました。
課員が、サプライズで送別会を催してくれました。アメリカ風のバタークリームの大きなケーキと清涼飲料、また私が帰国前でバタバタし、留め金が壊れたカバンを持ち歩いているのに気づいたらしく、新しいビジネスバッグをプレゼントしてくれました。バックやフロントからも参加してくれて、感激しました。
帰国後のポジションは、ストラクチャードファイナンス部(内外の「仕組みもの」の調達・運用商品を一手に扱う営業部門)の法務・事務管理兼コンプライアンス課長で、私のキャリアからすると、適任でした。部員が次々と考案する新種業務・新商品の法務・コンプライアンスチェック、事務管理、内外検査・監査対応、部員が不正を働いていないかの監視など、様々な「複雑系」業務にまつわる管理項目が担当です。百数十名の部署で、多忙を極めました。
従来型の日本的金融業務が変革を迫られる時期にあたり、業務内容は日々変転する、といってもいい状況でした。新業務・新手続が発生すると、その日のうちに共有サーバ上の業務マニュアルを書換え、監査部門がいつでも閲覧できる状態にして翌日を迎える、という業務スタイルです。
毎日がスリリングでした。世間から銀行に向けられる視線は一層厳しくなり、以前にも増して、緊張感をもって日々の業務に取組みました。
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