メーカー時代⑤
人事部時代の大きな仕事としては、確定拠出年金(企業年金)の設計と導入、というプロジェクトがありました。証券会社の方から全体像を教えてもらい、信託銀行のアクチュアリー(年金数理人・保険数理人)さんと協議しつつ、既存の確定給付年金(DB)から部分的に確定拠出年金(DC)として切り出す形で設計します。財務の特殊な一分野を成しており、理解が進むにつれ、面白みが解ってきました。しかし、ただ設計できればよし、とはゆきません。上司、経営会議、労働組合、取締役会を相手に、次々と「可決」を勝ちとれるだけの説明資料を、まとめなければならないのです。ここでは、様々な図を駆使し、解り易くプレゼン資料をまとめるテクニックを身につけることができました。
社内のJSOXプロジェクトチームのメンバー、という仕事もありました。主に財務・決算について、コンサルさん(会計事務所)に手伝ってもらいながら、社内外の不正と業務過誤を防止するための各種手順・手続を変更・新設し、業務別に網羅的な手続書にしてゆき、その運用状況を半年刻みで監査・評価する、というものです。私は、本来は人事業務についての説明役と資料作りが担当でしたが、既述の「ハーフ千本ノック」人事面談や「女性活躍プロジェクト」面談などを通じ、社内およびグループ会社のほぼあらゆる部署の業務実態に精通していたので、担当外の業務分野についても全社的見地から意見調整に精力的に参加しました。こうした作業は、本業であった年次の人事考課と並び、グループ全体の実像を掌握するのに好適であり、貴重な体験となりました。
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